• シャトー酒折ワイナリーからお届けするワイン生産者の”ナマ”の声が満載のブログです。

今日の製造現場
  • 2017/06/20
  • 樽について

  • 昨日に引き続き、ベリーAを樽からタンクへ移動しています。

    昨日は樽について少し書きました。
    一般的なワイン用の小樽は、ボルドースタイルで225L、ブルゴーニュスタイルで228Lの容量です。
    ワインのスタイルに合わせて、どちらかを選択します。

    使われている木材は、フランス産のオークがほとんど。
    樹齢100年を超える木から作られる、高価な工芸品です。

    また、比率は少な目ですが、アメリカ産オークでできた樽も一般的です。
    フランス産オークの樽が10万円を超える価格なのに対し、アメリカ産のものは少々お安い8万円前後。

    値段の他に、ワインに与える香にも違いがあります。
    アメリカ産には、バニラのような、少し甘い香りがあります。

    かつては、「いいワインといえば樽の香が強くついているもの」という流行がありました。
    その頃は香りの強いアメリカ産オークが多用されました。
    しかし、ここ十年ほど、「あまりベタベタと人工的な香りをつけたワインは下品」というように消費者の嗜好も変化してきました。
    それに伴いアメリカ産オークの使用比率も下がってきたように感じます(多分に個人的な感想ですが)。

    ところで、マスカット・ベリーAにはアメリカンオークの香りがよく合うなと思います。
    シャトー酒折には、こんな樽があります。
     japon.JPG

    フランス語で日本のベリーAと大書されております。
    この樽、本体側面はアメリカ産オークで、ヘッドボード(平らなフタのような部分)はフランス産オークでできています。
    日本のベリーA専用の特別仕様ですね。

    日本のワイナリーは諸外国の産地と比べると小規模です。
    生産量が多いワイナリーであれば「フランス産を50樽にアメリカ産を5樽混ぜて複雑な香りを演出しよう」という風に樽を使います。

    しかし、日本ワイナリーは一般に生産量が少ない。
    ですから、樽一本で両方の香りがつけられるというのは便利です。

    樽も色々奥が深いですね。

    しかし、僕が一番思うのは「アメリカ産オークは重い!」です。
    材木の密度が高いせいで、同じ樽でも格段の重さ。
    アメリカのせいで腰を痛めそうです。

    ではでは

    まさ

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